はじめに:子どもが主体的に行動するために大切な3つのこと
あなたは、お子さんに対して「自分から行動してくれたらいいのに」や、「〇〇しなさいって何度言ったら分かってくれるの」と思ったことはありませんか?
「子どもが主体的に行動してくれたら、怒らずに済むのに⋯」と思ったことがある人もいるのではないでしょうか。
今回は、子どもが主体的に行動するために必要な3つのポイントを小学校教員が解説!
日々子どもと関わる中で実践し、効果があった方法をお伝えします。
主体的に行動するって?
まず、主体的に行動するとはどういうことなのでしょうか?
主体的、つまり「子ども自ら行動すること」です。
では、どんな様子が「主体的」なのでしょうか?
今回は子どもの「姿」と「発言」から考えていきたいと思います。
子どもの「姿」
子どもの表情や行動、取組の姿勢から考えてみましょう。
どんな姿を「主体的」と考えますか?
例えば、表情。
楽しそうに取り組んでいる子どもは笑顔だったり、真剣な表情だったりすると思います。
また、自分の考えに基づいて次々活動していく様子は、主体的であると言えるのではないでしょうか。
「楽しかった」「もっとやりたい」など、前向きな発言、場合によっては、「〇〇しなきゃ」と必要感にかられる姿も場合によっては主体的と捉えることもできます。
子ども一人ひとりによって反応は違うと思いますので、ぜひ主体的に行動してほしい子どもの様子を具体的に想像してもらえると良いと思います。
主体的に行動するために必要な3つのポイント
では、本題に入ります!
主体的に行動するために必要なポイントを3つ紹介!
1 動機付け
2 褒める
3 価値付け
それぞれを順番に解説していきます。
動機付け
なかなか聞き慣れない言葉かもしれません。
簡単に言えば、動機付け=きっかけです。
みなさんもきっかけひとつでやる気が変わった経験があるのではないでしょうか?
実は、その動機付けにも「外発的動機付け」と「内発的動機付け」の2種類あります。
それぞれ特徴がありますので、見ていきましょう!
外発的動機付け
外発的動機付けとは「外部からもたらされるものを目標として、その目標を実現するために行為を行おうとすること」です。
つまり、行動のきっかけが子どもの外側にあります。
これだけだと伝わりづらいですね。以下に具体例を示します。
例えば、「お小遣いがもらえるからテストで100点目指す!」や「パパに褒められるから部屋を綺麗にする!」、「ご褒美がもらえるからお風呂掃除する」などです。
「〇〇が貰えるから」と、ご褒美などを貰えるなどの外的な要因がきっかけで行動していますね。
外発的動機付けは、行動に対する初速が取りやすいのが特徴です。一方で、その努力が継続しづらいのも特徴です。
言い方は悪いですが、目の前ににんじんをぶら下げられている状態です。
そのため、にんじんをぶら下げられている間はとても速く走りますが、にんじんを取ってしまったら走ることをやめてしまいます。
また、その活動自体に価値を感じていないため、同じような活動をするためには、またにんじんをぶら下げる必要があります。
内発的動機付け
内発的動機付けとは「自分の中から湧き出てくる興味や関心、楽しみなどの追求を原動力として、行為を行おうとすること」
つまり、行動のきっかけが子どもの内側にあります。
具体例を出してみますね。
「歴史についてもっと知りたいから勉強する!」や「早く寝ると朝起きられるからもう寝るね!」、「掃除をすると気持ちいいから部屋の掃除をしなきゃ!」などです。
こちらは外発的動機付けと違い、「〇〇したい」と、自分の中に行動のきっかけがあります。
内発的動機付けは、「やりたい」と思うものに出会うまでに時間がかかるケースがありますが、一度「やりたい」と思ったら、長くその活動に取り組むことが出来ます。
結局どちらがいいの?
それでは、外発的動機付けと内発的動機付けでは、どちらがよいのでしょうか?
結論、「どちらも良さがあるが最終的には内発的動機付けを子どもの中に確立させていきたい」です。
きっかけは外発的動機付けだったとしても、なんとか内発的動機付けにしていきたいですね。
褒める
「100点とったね!」「1位だったね!」
このような結果を褒められることはもちろん嬉しいことです。
しかし、褒めるときにもっと大切にしたいのは、その過程です。
- 最後まであきらめなかった
- 自分なりに工夫していた
- 友達のために行動していた
こうした姿に注目して言葉をかけると、子どもは「がんばることそのもの」に価値を感じられるようになります。
「片付けようと頑張ったんだね」というように、「できた」より「どうやって取り組んだか」に注目して、その努力を見つけてあげましょう。
価値付け
子どもがなにかに取り組んだ後に、「取り組んだこと」に価値付けしてあげましょう。
しかし、単に「えらいね」「よかったね」で終わらせるのは、少しもったいないかもしれません。
おすすめしたいのは、
「やってみてどうだった?」と問いかけること。
この一言で、子どもは自分の体験と感情を“言葉にする”ことができます。
そして、その思いを受け止めてもらえたとき、子どもは大きな安心感と自信を得ることが出来ます。
場合によっては、「めんどくさかった」など、マイナスの発言が返ってくることもあるでしょう。
そのときはぜひ、「めんどくさいと思ったんだね」と同じ言葉で繰り返してください。
行動ではなく、子どもの感情を受け止めてあげてください。
おまけ:「できた」を“見える化”しよう!
がんばった経験を目に見える形に残すと、子どもは自分の成長を実感しやすくなります。
おすすめは、「できたよカード」にシールを貼ることです。
小さな行動でも、「これ、できたね」とシールを貼っていくことで、子どもは達成感を味わうことが出来ます。
どんどんシールを貼ることで楽しくなり、取り組んでいる内容すらも楽しく感じるようになることがあります。
おわりに:子育てに正解はない。
小学校教師として伝えたいこと。
それは、子ども一人ひとりに“その子だけの答え”があるということです。
「この方法が正解!」ではなく、
・「うちの子にはどんな声かけが合うだろう?」
・「今のこの子に必要なのは何だろう?」
と考えることが、なにより大切です。
どれも、今日から家庭でできることばかり。
ぜひ、できることから少しずつ試してみてくださいね。
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